Re: 年間第12主日（A) - ひるた

2017/06/24 (Sat) 21:39:34

第2朗読より

しかし、恵みの賜物は罪とは比較になりません。一人の罪によって多くの人が死ぬことになったとすれば、なおさら、神の恵みと一人の人イエス・キリストの恵みの賜物とは、多くの人に豊かに注がれるのです。ローマ5・15


この箇所を簡単に言い表せば、アダムの罪によってすべての人に死が及んだように、キリストの十字架によって全人類が贖われた、ということだと思います。神の普遍的救済意志と呼ばれる箇所の一つです。

キリストによって全人類が救われた、と言っても過言ではないと個人的には思います。教会のカテキズムは、そうだともそうでないとも言っていません。そしてパウロはすべての人が救われるよう祈りなさいと勧めています。Ⅰテモテ2・1参照

全人類が救われるなんていうことはない、と主張する人たちの多くは人間に付与された自由意志を根拠にしているようです。つまり神の救いを信じない、という自由を人は持っているというわけです。

何という痛めつけられた自由意志でしょうか。人間が神と人とを愛するために与えられた自由意志を神の救いを否定するための機会としているのです。何と哀れな自由意志でしょうか。

最初に付与された自由意志によって人は神に背きました。神に背くことが罪なのですから、人間は罪を犯したのです。しかしパウロは「恵みの賜物は罪とは比較になりません」と言います。恵みの賜物とはここでは大雑把に言って「愛」と言ってもいいと思います。

つまり「愛」は「多くの人に豊かに注がれるのです」。「多くの人」とは文脈から見ても「すべての人」を指します。つまり、神に背くことによって、すべての人に死が及んだように、キリストの愛によってすべての人が救われるのです。

　　愛は死のように強く
　　熱情は院府(よみ)のように酷い。雅歌8・6

死は人間の自由意志の思うままにはならないが、愛はそれよりも強い、ならば愛の惹き寄せる力は人間の自由意志よりも強い、ということにならないでしょうか。

人間は自由意志を与えられたが、それを罪を犯す機会としてしまった。いま私たちが自由意志だと思っているものは、弱められた自由、つまり、罪の力にとらわれた不自由な自由です。その傷ついた自由意志を本来の姿に戻し、けっして罪に陥ることのないように神は私たちを再創造してくださるのです。

Re: 年間第12主日（A) - duckbill

2017/06/30 (Fri) 09:29:05

今週はエレミアの預言書と福音書から心に残ったことについて
分かち合います。


エレミアは敵からも味方からも敵意を向けられ、
苦しんでいます。
今でいうなら酷いイジメにあって誰も助けてくれない、
というような状態かもしれません。
ただ孤独なのではなく、迫害されています。
前半からエレミアがどれだけ辛いかが伝わってきました。

しかし後半では
「主は、恐るべき勇士として、わたしと共にいます。」
と気を取り直して心の方向転換ができています。
自分をいじめてるやつらをやっつけて下さい！とか
おもいっきり鬱憤を晴らしているような表現まであって
すごく人間的ですよね。親近感を感じます(^_^;)

そして、一応苦情と懇願をした後はお任せします、と
神に先の事は委ねています。
「わたしの訴えをあなたに打ち明け、お任せします。 」

その後はまだ解決したわけではないでしょうけれど
賛美の祈りをしています。
「主に向かって歌い、主を賛美せよ。 」
はたして辛い時期に賛美できるでしょうか？

エレミアには確信があったのでしょうね。
「主は貧しい人の魂を悪事を謀る者の手から助け出される。」
という確信を持っていたからこそ
心から賛美できたのだと思います。

このエレミアの祈りの流れは自分が辛い時にも当てはまる
プロセスのような気がします。

しかし一番ネックとなるのは神は傍にいて
必ず助けてくれる、という確信を持つことだと思います。

このことに関して神からの力強いメッセージがあります。
「人々を恐れてはならない。」
「あなたがたの髪の毛までも一本残らず数えられている。
　だから、恐れるな。」

今現実で味わっている痛みや苦しみを神に打ちあけ、
エレミアのように神に祈り、神の言葉を心の中でしっかりと
抱きしめながら、苦境を乗り越えることができますように！！